不動産売買時の「媒介契約の種類」をわかりやすく説明しています。

不動産売買時の「媒介契約の種類」をわかりやすく説明しています。

2024年4月4日
クラスイエ

不動産を売買する際に取り交わす、媒介契約の
 種類や違い
を知りたい。

こんなテーマに関する記事です。

クラスイエ

不動産会社と取り交わす「媒介契約」には、3つの種類があります。
その内容について、わかりやすく説明しています。


クラスイエ

不動産を売却する際には、通常、
 不動産会社に仲介を依頼
します。

その際、売主と不動産会社の間で、
 媒介契約(仲介の契約)
を取り交わします。

その媒介契約には、3つの種類があります。
それぞれ、特徴がありますので、それらの内容について、下記にわかりやすく説明します。

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媒介契約の種類

クラスイエ

媒介契約には、
 ・一般媒介
 ・専任媒介
 ・専属専任媒介

の3つの種類があります。

契約内容的には、
 一般媒介が一番「緩い」内容
になっています。

一般媒介が「緩い」という意味合いは、主に、
 ・複数の不動産会社に仲介を依頼しても良い
 ・不動産会社から売主への活動報告の義務がない

という契約内容になっているからです。

逆に他の2つは、
 ・仲介を依頼する不動産会社は1社のみ
 ・不動産会社から売主への活動報告の義務がある

というルールになります。

また、専任媒介に比べ、専属専任媒介ほうが、
 より縛りのある契約
 (売主が自分で買主を見つけることが可能かどうかと、活動報告の頻度等)

となっています。

下記に、もう少し詳しくみていきましょう。

3つの媒介契約は、「どこが違う」のか?

クラスイエ

それぞれの媒介契約の違いは、主に、下記の点になります。

・仲介を依頼する不動産会社の数
・レインズ(不動産会社間のデータベース)への登録
・売主への活動内容の報告義務
・媒介契約の期間

それぞれの違いは、下記の通りです。


仲介を依頼する不動産会社の数
 複数可 ;一般媒介
 1社のみ;専任媒介、専属専任媒介

レインズ(不動産会社間のデータベース)への登録
 任意;一般媒介
 必須;専任媒介、専属専任媒介

※一般媒介の場合でも、レインズ(不動産会社間のデータベース)への登録は可能です。

売主への活動内容の報告義務
 任意;一般媒介
 必須;専任媒介、専属専任媒介

媒介契約の期間
 法的な制限なし;一般媒介
 3か月     ;専任媒介、専属専任媒介

 ※但し、一般媒介の場合でも、標準的な契約約款では、3か月となっています)

媒介契約の共通点は?

クラスイエ

逆に、それぞれの媒介契約の書面に記載されていることの共通する点としては、何になるのでしょうか?
おもな共通点としては、下記になります。

・報酬(仲介手数料)についての記載
・不動産会社の、契約書面の作成および契約時の書面の説明(重要事項説明書等)の義務

報酬(仲介手数料)について

媒介契約には、物件が成約した際の報酬の記載があります。

報酬は、
 物件価格×3%+6万円+消費税
  (物件価格が400万円をこえる物件の場合の算定式)
を上限として設定さてます。

契約書面の作成および契約時の書面の説明(重要事項説明書等)の義務

買主が見つかった際には、仲介をする不動産会社が、
 売買契約書、重要事項説明書等
を作成し、売買契約の際に、内容の説明をします。
また、書面にも、宅建業者、宅建士の署名捺印をすることになります。

買主を見つける為の活動について

クラスイエ

では、肝心の、
 買主を見つける為の活動(営業活動
については、どのような内容になっているのでしょうか。

専任媒介、専属専任媒介の標準約款には、下記の表現がなされています。

契約の相手方を探索するとともに、契約の相手方との契約条件の調整等
を行い、契約の成立に向けて積極的に努力します。

媒介契約書の標準約款(国土交通省); https://www.mlit.go.jp/common/000006576.pdf

ただ、一般媒介の標準約款には、
 契約の相手方を探索
の記載がありません。

ですので、一般媒介で不動産会社に仲介を依頼する際には、
 どのような営業活動をするのか
をしっかりと確認するようにしましょう。

もちろん、専任媒介、専属専任媒介の場合においても、
 どのような媒体に物件情報を掲載する予定なのか?
といったことは、最低限、確認するいうにしましょう。

【参考】国土交通省;宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款

活動報告の報告頻度

クラスイエ

営業活動の状況について、不動産会社から売主へ報告する頻度については、媒介契約の種類ごとに決まっています。

一般媒介  ;任意(法令上の制限はありません。)
専任媒介  ;2週間に1回以上
専属専任媒介;1週間に1回以上

一般媒介に関しては、法令上の制限はありませんので、状況に応じて、
 売主から不動産会社に、問合せをする
といった対応になります。
もちろん、不動産会社が自主的に、定期的な報告をしてくれる場合もります。

売主が自分で買主を見つけてくる場合

クラスイエ

稀に、
 売主が自分で買主を見つけてくる場合
があります。
いわゆる、「自己発見取引」、「直接取引」というケースです。

もちろん、その場合でも売買契約書を作成して契約したほうが安心ですので、不動産会社に相談すると良いと言えます。

ただ、考え方としては、
 不動産会社を介さずに取引をすることも可能
です。

しかしながら、
 専属専任媒介
の場合は、この、「自己発見取引」、「直接取引」は、NGとなっています。
ですので、仮に、売主自身が買主を見つけてきたとしても、契約上、
 不動産会社が仲介をして、所定の仲介手数料を支払う
ということになります。

ただ、このような、売主の「自己発見取引」、「直接取引」するケースは、稀です。

もし、売主自身が買主を見つけられそうな場合は、
 専任媒介
のほうが、自由度が高いと言えます。
 

売主としては、どの媒介の形式を選べばいいのでしょうか?

クラスイエ

では、実際に、どの形式の媒介契約を選定すればいいのでしょうか?

結論からいうと、
 まずは、信頼できる不動産会社を選定
した上で、
 専任媒介契約を選ぶ
というのが良いと言えます。

その理由は、2つあります。

ひとつめの理由

レインズ(不動産会社間のデータベース)に登録することで、他の不動産会社も営業してくれるからです。

レインズ(不動産会社間のデータベース)が無い時代は、
 一般媒介で、複数の不動産会社に仲介を依頼すること
も意味がありましたが、現状は、あまりメリットは無いと言えます。

2つめの理由

一般媒介で複数の不動産会社へ仲介を依頼した場合は、
 情報のとりまとめが面倒
になるからです。

ここで言う「情報のとりまとめ」とは、例えば、
 複数の不動産会社で、内見(内覧)の日時が重複する際の調整
の際には、売主が情報のとりまとめをするようなケースも考えられるからです。
一般媒介を依頼している不動産会社同士で、スケジュールがバッティングした際の優先順位をどうするかという問題が生じる可能性があります。

あるいは、それぞれの会社から、同じようなタイミングで申し込みがはいった場合、どちらを優先するのかの調整も、結局、売主が判断することになってしまいます。

調整役の不動産会社を決める方法もありますが、それであれば、最初から、
 専任媒介で不動産会社を1社に絞って選定したほうが良い
と言えます。

さいごに

クラスイエ

はじめて不動産を売却する場合は、特に、
 どの媒介契約にすればいいのか
の判断がつかない場合があります。

現状では、レインズに物件登録すれば、他の不動産会社も営業してくれることが期待できますので、
 信頼できる不動産会社を選定して、専任媒介契約を取り交わす
という選択が良いと言えます。

また、媒介契約書は、国土交通省が開示している、
 標準的な契約書
がありますが、不動産会社によっては、
 独自の契約書面
を使っているケースもあります。
その場合は、記載内容をしっかり確認して、署名捺印するようにしましょう。

【参考】国土交通省;宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款

以上、媒介契約の種類についてでした。

クラスイエ